癌性リンパ管症についての解説
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癌性リンパ管症についての解説
心臓から肺に送る血液は1分間で5リットルに達します。これだけの血液が密集する肺胞の周りに、ごく薄い肺胞膜を隔てて流れています。ですから、肺は非常に水浸しになりやすい臓器なのです。

肺を守るために、排水管の役割を果たしているリンパ管というものは、肺の血管に沿って隅々まで張り渡されています。細いリンパ管は小河の流れが大川に集まっていくように、次第に太さが増やし、最終的にはさらに太いリンパ管に合流します。このリンパ管は肺の排水を担っているから、肺は水浸しにならずに済んだのです。

しかし、何らかの原因で肺のリンパ管が塞いでしまうと、肺は急速に水浸しになり、「肺積水」を引き起こします。肺胞の中は水に占められ、空気が入れられず、そのために全身が酸素欠状態になり、非常に苦しい状況になります。この状態を「癌性リンパ管症」といいます。

「癌性リンパ管症」になる原因は、肺の細かいリンパ管やリンパ節に癌細胞ができて、通路を塞いだからです。次第に他のリンパ管やリンパ節に癌が転移して、全体の流れが止まってしまいます。

「癌性リンパ管症」が一旦発症すると、非常に進行が速い病気です。症状の好転が望めないし、患者の苦痛が深める一方です。肺積水の症状を改善するために、ハイスコ(臭化水素酸スコポラミン)を投与したり、リンパ管の流れを良くするステロイド剤を投与したり、やむをえず体全体の水分を減らすために水の摂取を控えたりしますが、病状の進行に追いつけない場合が多く、患者の苦痛を軽減する対症療法を同時に行う必要があります。

「癌性リンパ管症」は酸欠状態に陥るわけですから、大量の酸素が必要とします。対症療法で酸素投与を行い、息苦しさを緩和します。それでもどうしようもなく苦しい時は、意識を希薄にするための鎮静剤を投与します。それでも、自行呼吸で摂取できる酸素の量と比べて、かなり少なくなりますので、最大限に楽にしてあげても、患者の見た目がハアハアして苦しそうに見えます。しかし、呼吸がせわしくなっていても、表情が穏やかであれば、最大限楽になっていると判断できます。その状態を目指して、細かく薬や酸素を調節しながら、色々の手を尽くして、できるだけのことをやっていきます。


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